バイクにのる人
都営 村山団地
週末、東京の西にある武蔵村山市に立ち寄った。
そこにあるのは都営 村山アパート、地元では村山団地と呼ばれていた場所、今は半分近くの建物が消えて一部は向日葵が咲く場所になっている。
ここに立ち寄るのは30年ぶりだが子供頃の記憶にある沢山の人が歩いて活気があった中央商店街も今は週末だというのにシャッターが下りた店が並び歩く人も数人しかいない。
造成されてから50年以上経った今では仕方ないのかもしれない。
ピヨちゃんスタンプだけが40年前から変わらぬものだった。
立ち寄るきっかけはAmazonPrimeビデオで見たアニメ「終物語」に村山団地をモチーフにした話があったからだ。
もともとテレビを見ない生活を20年近く続けているので噂程度に聞いていた「物語シリーズ」だが、AmazonPrimeビデオを利用するようになって見始めると面白く感じ、その中に村山団地そっくり(実際に元にしているのだが)の光景があったので現地を訪れてみたくなったのがきっかけだ。
アニメの中では北に位置する狭山丘陵に夕日が沈むとか、1960年代の設計の住宅のはずが室内は無駄に広くてスタイリッシュな内装とか団地にしては異常に大きく見晴らしの良い窓とかシャフト感全開なのだがツッコミを入れるのは野暮というものだろう。
今は全て姿を消してしまった2階建ての低層住宅が作品の中に一瞬出てきたことだけでも十分懐かしいし嬉しい。

終物語 そだちロストでは44号棟が主人公たちが訪れる棟となっていた。
中央商店街の南側にある44号棟を訪れると北向きの階段側は子供の頃に見慣れたダストシュート付きの鉄筋構造だったが、南側のベランダは見慣れない構造だった。
2000年前後に立て直しの時期があったと聞いているが違和感がある、建て替えなら昔の施設であるダストシュートを再現しないはずだ。
記憶ではベランダもコンクリートで塗り固められた壁に鉄の手すりだったはずが、ステンレス主体の構造…ベランダの構造は明らかに1980年代以降の設計なので北と南で時代が異なる建物…建物の側面を見た時に気付くものがあった。
この建物は後からベランダ側部分を増築しているようで、明らかに注ぎ足した感じが側面の壁から伺い知れる。
併せて部屋も増えているので時代に合わせたのだろう。
しかし、こういった大掛かりな増築を行う公営アパートは初めて目にする。

自転車小屋も半透明の青い樹脂のものから金属製になっている。
恐らく増築時に一気に更新したのだろう。
44号棟に友人はいなかったので室内に入ることはなかったが、45か46あたりには友人が居て部屋に上がっていた記憶がある。
2階建ての低層住宅には何人も友人がいたので何度も訪れていた。
村山団地の敷地すべてを範囲にした壮大なドロ警(20人くらいで何時間もかかった…)で遊んだりし、南側にある大南公園よりは中央の小さな公園と、団地の西側にあった駄菓子屋が根城でもあった。(学校の管轄が異なる境界に駄菓子屋があったので色々と交流することができた)
ただ…私の親は村山団地に足を踏み入れるのを快く思っていなかった。
理由は公営ということで色々と事情がある世帯が多く、悪い方向に引っ張られるのを懸念したのだろう。
事実、私が良く遊んだ男の子の家は母子家庭、近くには男性一人が住んでいたが過去に何かあったらしく普通の仕事は出来ないと言っていた。
所謂「生活保護世帯」も多かったらしい。
他には日産の工場があったのでそこに働く人や、立川基地・横田基地の間に位置するので立川航空などの関連企業に勤める人も多かった記憶だ。
いずれにしても村山病院近くの公務員宿舎の大人からすると世界が誓ったのだろう。
子供の私はそんなことを気にせず遊んでいたのだが…。

武蔵村山からは小学校を卒業するまえに筑波へ引っ越してしまったので高校生になるまで訪れることはなかった。
高校生になってバイクの免許を取ったあとに小学時代の遊び仲間を尋ねたが、残っていたのは1家族のみで他は全て転居していた。
村山団地の数人の友人も引っ越した後で誰も残っていなかった。
団地住まいの宿命といえばそれまでだが、大人になっても奥多摩へ向かう時に新青梅街道を走りながら村山団地とむさしの住宅を横目に見る程度の時間が流れていくだけになった。
恐らく、村山団地の中に入るのがこれが最後になるだろう。

「物語シリーズ」を見ていて更に「おや?」と思うものがあった。
化物語シリーズのひたぎクラブOPの中に見慣れが光景が使われていたが、見た瞬間に「西武線?鷺ノ宮から井荻あたりだろうか?」と思ったが本当に井荻駅から見える光景だったことを後で知った。
制作元のシャフトが井荻にあるそうで、他にも環八の立体交差近くの交差点なども物語中に出てきた。
1990年代に下井草に住んでいたので井荻にも買い物などで来ていたので覚えていたのだろう。
最も、私が住んでいた時は環八はトンネル化されておらず、西武線新宿線と環八の交差する部分は環八側がアンダーパスしていたのでアニメに出てきた時には気づかなかった。
まぁモチーフはモチーフ、素直に愉しめばいいだけ。

ネットで村山団地を調べている時に実写映画でも使用されていたことも知った。
「みなさん、さようなら」という団地から出ることが出来ない青年の物語だが、これもいつか見てみよう。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://ridesbike.blog97.fc2.com/tb.php/718-5b02083b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック